股関節痛とストレッチ

リハビリ

このSNS全盛期の時代にネット上にはたくさんの股関節痛にきくストレッチや筋トレが紹介されています。しかし股関節痛にきく単一のストレッチは存在しません

こう言うと批判を受けるかもしれません。もちろんストレッチや筋力訓練が効果的な股関節痛もあるは事実です。

しかし前回お話ししたように、股関節痛を生じる病気はたくさんあります。さらに年齢や活動性もばらばらです。そのような股関節痛に対して同じストレッチや筋力訓練が全員に効果があるとはとても考えにくいです。

ではどうすればよいのか、股関節が痛いと整形外科にいっても痛み止めをくれるだけで何もしてくれないではないか、そのような不満を抱える方がいるのももっともだと思います。

大事なことは最初に診断を受けることです。股関節痛を引き起こしている原因は何なのか、実は股関節ではなく腰からきている症状かもしれません。

そして適切な診断を受けたのちに、ストレッチや筋力訓練が効果があるかを考えます。

変形性股関節症

変形性股関節症は進行具合によってリハビリの効果がかわってくると思われます。50歳以上の重度の変形性股関節症の場合はリハビリよりも人工股関節置換術のほうが成績がよいことがすでに示されています。

50歳以上の重度の変形性股関節症に対する人工股関節置換術はレジスタンストレーニングと比較して痛み、昨日の改善を示した。

Frydendal T, Christensen R, Mechlenburg I, Mikkelsen LR, Varnum C, Graversen AE, Kjærsgaard-Andersen P, Revald PH, Hofbauer C, Bieder MJ, Qassim H, Munir MS, Jakobsen SS, Nielsen SM, Ingwersen KG, Overgaard S. Total Hip Replacement or Resistance Training for Severe Hip Osteoarthritis. N Engl J Med. 2024 Oct 31;391(17):1610-1620. doi: 10.1056/NEJMoa2400141. PMID: 39476341.

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そのため重度の変形性股関節症の方にやみくもに筋力訓練やストレッチを続けることはあまり勧められることではないと思います。

そのほかの病気

変形性股関節症が進行する前、もしくは

寛骨臼形成不全症

Femoroacetabular Impingement

Groin pain syndrome

このような病気には筋力訓練やストレッチといったリハビリを行うメリットは十分あります。

しかしここで問題があります。残念ながら病院の整形外科では全ての患者様に対して適切なリハビリを行うことはむずかしく、特に総合病院のような大きな病院では外来の患者様に対してリハビリを行っている施設は少ないと思います。

大きな病院では検査や、診断、手術に優れている反面、こまめなリハビリ治療が難しいという一面があります。

そこで本ブログでは定期的に股関節に効果的な、そしてできる限り科学的に根拠のあるリハビリ治療を紹介していきたいと思います。

特にyoutubeで紹介されているような見て分かりやすいものを紹介してきたいと思いますのでぜひ参考にして頂ければ幸いです。

今回もお読みいただきありがとうございました!

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